BLOGブログ

HOME//ブログ//非上場株式(自社株)の評価が変わる?国税庁の見直し案と今後の行方をFPがわかりやすく解説

ブログ

非上場株式(自社株)の評価が変わる?国税庁の見直し案と今後の行方をFPがわかりやすく解説

経営者が後継者に自社株を引き継ぐイメージイラスト


「会社の株を子どもに引き継ぎたいけれど、相続税はどれくらいかかるの?」
中小企業の経営者の方にとって、未公開株(非上場株式・自社株)の評価は事業承継の大きなテーマです。その評価ルールについて、2026年に国税庁が約60年ぶりとも言われる大きな見直し案を示し、話題になっています。この記事では、見直し案のポイントと今後の行方、経営者が今できることを、ファイナンシャルプランナー(FP)がわかりやすく解説します。





非上場株式(自社株)はどう評価されている?





上場株式と違い、非上場株式には市場の株価がありません。そのため相続や贈与のときは、国税庁のルール(財産評価基本通達)に沿って評価額を計算します。現在は、会社を大会社・中会社・小会社に分け、上場企業の株価を参考にする「類似業種比準方式」と、会社の資産から計算する「純資産価額方式」を組み合わせて評価するのが基本です。





なぜ見直しの議論が始まったのか





きっかけは、2024年11月の会計検査院の指摘です。評価方式によって評価額に大きな差が出ることや、規模の大きい会社ほど評価額が低くなりやすいことが問題とされました。これを受けて国税庁は、2026年4月から「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を開いて検討を進めています。





国税庁が示した見直し案のポイント





1. 類似業種比準方式は廃止の方向





多くの会社で使われてきた類似業種比準方式は、「存置は困難」とされています。





2. 新たな原則は「残余利益方式」





会社の今の純資産に、将来生み出す利益の価値を加えて評価する「残余利益方式」に一本化する案です。計算に使う率などの具体的な数字は、まだ決まっていません。





3. 会社規模による区分をなくす





大会社・中会社・小会社で評価方法を変える仕組みをやめ、規模にかかわらず同じ方法で評価する案です。また、純資産価額方式は、資産管理会社や開業まもない会社など、特定の会社に限って使う方向です。





4. 評価額は上がる会社も下がる会社も





国税庁の試算(一定の仮定によるもの)では、大会社は評価額が上がりやすく、小会社は下がりやすい傾向が示されています。ただし、実際の影響は会社の利益や資産の状況によって大きく異なります。





見直しは決まったの?今後の行方





この見直しは、まだ決定したものではありません。中小企業の事業承継への影響を心配する声も多く、2026年10月29日には自民党の日本成長戦略本部が、国税庁案を「容認できない」として、白地から議論し直すよう求める決議をまとめました。今後は、年末にまとめられる「令和9年度税制改正大綱」でどう扱われるかが大きな焦点です。適用時期もまだ決まっていません。





経営者が今できること






  • 今の自社株の評価額を把握する:改正の影響を判断するための出発点です。




  • 事業承継税制の期限を確認する:特例措置は、特例承継計画の提出が2027年9月30日まで、贈与・相続が2027年12月31日までとされています。




  • あわてて動かない:内容はまだ流動的です。最新の動きを確認しながら、税理士などの専門家と一緒に計画を立てることが大切です。





まとめ:自社株の承継は早めの準備を





非上場株式の評価ルールが変われば、相続税や贈与税の負担、そして事業承継の計画にも影響します。「うちの会社はどうなるの?」と思ったら、早めに状況を確認しておきましょう。ご相談はホームページのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。





※本記事は2026年11月1日時点の情報に基づいています。見直しは検討段階であり、今後内容が変わる可能性があります。個別の税務判断については税理士にご確認ください。
関連記事:生前贈与で相続対策|年110万円の基本から2024年改正後の注意点まで


ブログ一覧

トップへ戻る